双極性障害でも幸せ探求したいのだ

双極性障害持ちとしての体験談など

食べたいものを食べながら痩せる……

 食べたいものを食べながら痩せる。は可能なのか?

 うっかり太ってしまった人は皆さまもれなく思っていることがあります。「食べたいものを食べながら痩せることって、ワンチャンできるんじゃね?」「でも自分が太ってしまうのはやり方を知らないだけじゃない?」「SNSを探せばそんなミラクルテクニックが見つかるかも?」とピザを片手に2本目の糖質オフのビールを飲みながらあなたも検索してますか?

 アラフィフな私もそんな不毛な旅に出ていた一人です。

 昨日も言いましたが、高低差がフツウじゃない気分の病を患っておりまして、薬の影響か脳の働きの誤作動のせいか加齢のせいかははっきりわからないのですが、(本当は分かってる。食べ過ぎたせい)気がつけば100Kg目前まで太っていました。もう何が何だか受けとめきれず、どうとでもなれと言う気持ちで日々やり過ごしていました。(実際は着々と太り続けていました)

 そんな私がこの高度肥満と向き合うことにしたのは、終の住処を建てようと決めたから。家建てたのにすぐ逝くとか、生活習慣病の影響で(これ以上)不自由になる、なんて全然面白くないでしょ?本人にとっちゃ笑えない。

 それと、最大の食べ友ママンが逝った。その時、『あぁ、もう食べなくていいんだ。』となぜか安堵した。今まで意識してなかったけど、食べるのが相当苦痛だったことに気づいてしまった。

 だから後戻りできない方法を選ぼうと思った。ならば前から考えていたスリーブ状胃切除術を受けよう。ラーメンやスイーツとは生涯綺麗にさよならしよう。そう決意して、高脂血症でかかっている医師に紹介状を書いてもらって、すぐにゴッドハンドのいる病院に飛びこみました。

 病院で行われたことは、病院ホームページや患者ブログと同じで、大体どこを検索しても同じことが書かれているので詳細は割愛します。でも、雑感を少しだけ書きます。

 術前の入念な検査と所定の簡単な減量をクリアした後1ヶ月くらいで手術してもらえました。(割と待つ時もあるらしい。)

 私の場合、精神疾患があるので、精神科医の意見書を提出したのが、少しフツウと違うかも。(一年以内に精神疾患で入院してたら、すぐには手術を受けられない)

 あと胆石があったのでついでに胆のう摘出もしてもらったよ。胆石を抱えている人には朗報じゃない?取ってしまえば、もう胆のう癌にはならないよ。(当たり前)

 それから自分のことを、境界型の糖尿病予備軍だと思っていましたが、糖負荷検査を受けたら正真正銘の糖尿病でした。(境界型ってちゃんと検査すると、フツウに糖尿病ってよくあることみたい。真実を知れてよかった)

 手術自体の痛みは1日くらいで気にならなくなった。でも衝動的な食欲はなくならないので、それをどうコントロールしていくのかが最大の課題だった。段階的に普通食に戻していくのだけど、良く噛むことができなさ過ぎて諦めた。かわりに味の後ろ姿を観察(余韻を楽しむ、という感じ)して、次の一口までの時間稼ぎをしてました。歯も治したし、鼻も詰まってないし、急いでいるわけでもないのに、咀嚼だけは何故か心理的に気持ち悪い。なんなんでしょうね?

 今のところ術後数ヶ月経過しましたが、まだまだヤンチャな食欲が私を襲います。でも100ccの容積になった胃袋は伊達じゃない。(手術も何もしてない胃は食事で1500ccくらいまで大きくなれるとか?)5口は大丈夫だけど、6口目を口に入れたら渋滞して胃に入らないので、6口目は嘔吐することになります。水分で流しこもうとすれば、さらに渋滞して(感覚的に)溺れます。

 でも私の場合、精神疾患の影響で引きこもりなので、結構食べてしまっては嘔吐してしまいます。仕事をしている人は人目があるから嘔吐しないように食べてるのではないでしょうか?

 最初のセリフに戻りますが、今なら言えます。食べたいものを食べながら痩せることは不可能です。栄養云々難しいことはありますが、食べないから痩せるのです。食べてたら痩せません。年取ったら尚更です。ちょっと考えてみて。好物を途中で食べるのをやめるって難しくないですか?それができたら太ってませんて。

 意識高い系が「素材の味が〜」とか「私には味が濃い〜」とかよく言いますが、彼ら彼女らは良く分かってます。そう言う淡白な味の方が満腹きたら躊躇なく食事をやめられるから選択的に食べているのです。まさに、『意志力に頼らず環境に頼る』というヤツです。(あってる?)

 でもそうなると食の楽しみとはなんぞや?と思いますよね。わたしの場合(スリーブ術を受けた人の多くは)量を食べる喜びから卒業しました。もし、胃に食べ物を入れられる状態ならリバウンドして今頃100Kgは超えていたと思います。胃が小さいということは、明らかにリバウンドを防いでいます。でも味はわかりますからね。5口で満腹するなんて、5句に分かれている短歌を堪能することにも似てるな、なんて最近余裕かましてます。スリーブ術を受けたわたしの食の楽しみは、味を余韻まで楽しむことですね。(でも咀嚼は1口15回くらいでギブアップです)

 体も軽くなり、山歩きも再開できたし、90分くらいのウォーキングは全然苦痛じゃないし、何より手術のリスクを跳ね上げる境界のBMI25をもう直ぐ切る勢いですからいい事しかないです。もちろん血液検査で引っかかる項目はゼロです。(薬はすぐにやめられませんが。これは勝手にやめられない。)

 あげたがりの作る手作り料理だって食べなくていいし、ダイエット始めたことを知るや買ってこられたケーキだって食べなくていいし、気乗りしないしがらみ食いは全て断ったっていいんです。(何てったって5口が限界ですし、味覚も変わりますし)

 何事も万能の方法はありませんが、これほど満足度の高い手術ってないとわたしは思ってます。